地域猫活動が野良猫の個体数制御及び福祉に及ぼす影響

著:三井 香奈
出典:帝京科学大学大学院

猫の生存数は不妊去勢だけでは減少しない。重要なのは、その後の適切な人の猫への対応。
すなわち適切なエサの管理・・・というのが最近の説です。
TNRや地域猫活動を推進している日本は、非常に稀な国といえます。
実は欧米諸国では、TNRが動物福祉に反するのではないか?
希少動物を絶滅させるイエ猫たち・・・という側面が取りざたされることが多いのです。
「TNR・地域猫活動」の有効性については、欧米では研究がなされていますが、
日本では「ヒト同士の問題」等、地域や社会学的な問題としてとらえられることはあっても、
猫そのものの健康状態は生息状況についての研究が非常に少ない状態でしたので
貴重な研究文だと思います。

イエ猫の繁殖は、生態系や食物連鎖に人間が介入(エサやり)することで起きた問題ともいえます。
今後も、客観的データに基づいた研究文を注視しつつ
猫をめぐる人間同士のトラブル回避の方法を模索していきたいと思います。